2014年7月31日木曜日

制裁金は約70万円!判定に怒ったサポーターが審判に猛抗議3時間

バンコク在住の会社員による観戦レポートです。

今回は、シン・タールアFC×チャイナートFCの試合で起こった事件(2014年 第25節)について書きます。
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この事件は、TPL(タイプレミアリーグ)の第25節、シン・タールアFC対チャイナートFCの試合中に起こりました。

1- 1で迎えた後半79分、チャイナートの攻撃で左サイドからタナコーン(Thanakorn)選手がゴール前に上げようとしたボールに対し、タールア29番チャッカポン(Jakkapong)選手がペナルティエリア内でブロックしました。

このプレーがきっかけで、シン・タールアのサポーターらが激怒することになるのですが、まずは、動画にて、試合の様子をご確認ください。

サポーターの暴動を招いたプレーを動画で確認

自陣ゴールを向きながらブロック、一瞬のプレーなので動画では判りにくいのですが、胸でブロックしたようにも手に当たったようにも見えました。

問題の場面は、3分45秒くらいです。

審判はチャッカポン(Jakkapong)選手の背中を見る形で位置しており、ブロックした彼の前面は見えないポジションです。

このプレーに対して審判は、ハンドと判定、ペナルティエリア内のためチャイナートにPKが与えられます。(この時サポーターからは想像を絶する口汚い言葉が浴びせられたのは想像に難くありません)

シン・タールアの選手は猛抗議しますが認められず、チャイナートの選手がPKを決め、結果的にこれが決勝点となりました。

シン・タールアのサポーターが暴走

試合後、判定に納得のいかないシン・タールアのサポーターがピッチになだれ込み、メインスタンド裏も占拠して審判に対して恫喝しました。

タイのニュース報道によると、23時近くまで続けたということですから、試合終了(20時)から3時間も包囲して講義を行い、審判らを脅したということになります。

シン・タールアに対し制裁金22万バーツ

この事件を重く見たタイプレミアリーグ規律委員会は7月29日、シン・タールアFCに対し制裁として、下記のような裁定を下しました。

1. 審判に対し水をかけたこと、暴言や下品な言葉(制裁金3万バーツ)
2. ピッチにペットボトルなどを投げ込んだこと(制裁金6万バーツ)
3.チームの警備体制の不備(制裁金5万バーツ)
4.ピッチに観客を進入させたこと(制裁金5万バーツ) 
5.審判の部屋を取り囲んだこと(制裁金3万バーツ)

さらに上記の制裁金に加え、次節のTOT戦(8月3日)について、ホームでの開催権を剥奪し、チームが費用を負担して中立地での試合を行いタールアのサポーターは入場させないこととしています。

TPL規律委員会の裁定、少し甘いのでは?

この裁定に対して私は少し甘いのではないかと思いました。

その理由は、シン・タールアのサポーターは過去に何度も、同様の事件を起こしているからです。それも今回より酷いものもあります。(ちなみにgoogle翻訳で「ท่าเรือ นักเลง」(タールア乱暴)と打ち込むと日本語で「やくざ」と翻訳されます。)


対ムアントン・ユナイテッド戦(2010年)
2010年には、当時財前宣之選手が在籍して頃のムアントン・ユナイテッドとの試合で、判定と負けたことに対する腹いせにピッチに花火を打ち込み、発炎筒を投げ入れ、挙句の果てには、ムアントンサポーターや警備員と殴り合いを始め、それでも収まらなかったのかムアントンの巨大Tシャツ型フラッグを破ってさらに何人もの怪我人を出すという暴挙に出ています。

この際には、タイプレミアリーグから罰金+4試合のホームゲームの没収でした。あれだけの事件を起こしたにも関わらずたった4試合でした。

対サムットソンクラーム戦(2012年)
さらに2012年9月には、ホームでのサムットソンクラーム戦において、今回と同じく1-2で負けたのですが、微妙なチャージによるファールでPKを相手に与えられたことと、これまた微妙なオフサイドの判定でゴールされたことに対し、ピッチになだれ込んで審判の控え室を取り囲み、帰路を妨げるなどしました。あるサポーターによると審判の部屋にバイクで突入しようとしたりもしたようです。

この騒ぎでタノム・ボリクット(Thanom Borikut)主審は事態を収拾するため、サポーターの前で引退宣言をしたそうです。(しかし、実際には引退しなかったため翌年彼は大変な目に会います。※1)

この時の罰則は、制裁金数万バーツに1試合のホームゲームにおけるバックスタンドとゴール裏すべての入場禁止でした。(アウェイのチェンライユナイテッドのサポーターに対しては入場が許可されました。)

※1
実は、上記のタノム・ボリクット(Thanom Borikut)審判は、以前から「黒い噂」が絶えない人物で、2013年9月4日、何者かに銃で何発か撃たれ、重症を負っています。(サッカーのタイプレミアリーグ、審判員が撃たれ重傷

タノム氏を一度スタジアムで見かけたことがあるのですが、収入がさほど良いとは言えない審判という職業にも関わらず、ベンツに乗っておられました。各方面での副収入がよほどあるのかも知れません。

主審が下したジャッジは”絶対”

サッカーの試合において審判は絶対であり、例えそれがあきらかにおかしいものであっても、その場で主審が下したジャッジは最終判断であり、間違った判断も含めてそれもサッカーのうちであるという意見もあるくらいです。

もちろん、納得いかない場合はチームが意見書などをリーグに出すことはありますが、マッチコミッショナーはそれに対して意見をすることが禁止されていますし、判定が覆ることはありません。当然議論はすべきかもしれませんが、結果が変わることは無いのです。

ましてや判定が不服だからとサポーターが審判を恫喝するなど絶対に許されませんし、それによって判定が変わるのであれば暴れれば望む判定になると、さらにエスカレートする可能性もあります。

こうなると正しいプロスポーツとは言えません。

今回の問題点まとめ(総括)

最後に今回の問題は何だったのでしょうか?

1.主審がよく見えない位置におり、見えていなかった。(副審は反対側のサイドいたため確認できず)
2.チームが警備体制を整えることが出来ていなかった。(おそらくチームも積極的にサポーターをコントロールしなかった)
3.度重なるトラブルがあり、チームに不利益があると知っているにも関わらずサポーターが問題行動を取った。

関係者はきちんと対策を取らず今後もサポーターの暴走を許すのであれば、チームが消滅するかもしれません。
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