2014年10月13日月曜日

観戦レポート バンコクグラス×チェンライユナイテッド2015年10月13日

バンコク在住の会社員によるタイ・サッカープレミアリーグの観戦レポート

今回はFAカップ準決勝B G FC(バンコクグラスFC)×チェンライ・ユナイテッド(2014年10月4日)です。

チェンライユナイテッド


バンコクグラスFC(BGFC)

ラチャマンガラスタジアムで行われた今日の試合は準々決勝でムアントン・ユナイテッドを2-1で退けたB G FCは同じくバンコクFCに1-0で勝ったチェンライ・ユナイテッドと対戦、リーグ戦では8月に入ってから勝ち越していない両チームだが、初の FAカップ優勝を目指して気合が入っているのが試合前から感じられた。B G FCは茂庭選手が、チェンライは村上一樹選手が先発メンバーに登録されており、大久保選手はベンチ入りで杉本恵太選手と小川圭祐選手は残念ながらベンチ入りしていなかった。


チェンライが激しい攻撃を仕掛ける


前半は主にチェンライが押し気味で展開していく、B G FCのフォーメーションはボランチを配した5-3-2、チェンライもツートップは同じだが、トップ下に1人を置いた4-3-1-2(変則的な4-3-3という感じ)という配置、お互いに負けられない試合とあって開始そうそうから激しくぶつかり、茂庭選手も村上選手も相手に容赦ないチャージを仕掛ける。


チェンライは右サイドから9番のシティパンが角度の無いところからのシュートや22番のピチットポンのセットプレーからの攻撃でB G FCゴールに迫り、さらに14番のレナンと7番レアンドロのブラジルコンビが決定機をつくりますが、どれも得点には繋がらない。守備では茂庭選手が14番のレナンを徹底にマークして対人能力の高さを見せつけた。

B G FCは昨年FC岐阜でプレーした20番バージェ・イリオスキと22番ダルコのマケドニアコンビに加え11番ナミビア人のラザラスが何度もチャンスを創っていく、ラザラスはM Fの登録ですが、いかにもタイで好まれるタイプのストライカーで現在TP L得点王のラチャーブリでプレーするヘベルチと同じようなプレースタイルで、どちらも上背こそ無いもののスピードがあり、自らドリブルで切り込むこともあれば、少しでも前が空けばミドルシュートを狙うところなども似ている。


やや優位に試合を進めていたチェンライですが、徐々に攻勢に出てくるB G FCに対し中盤からロングボールを前線に放り込み何度か B G FCゴールを狙いに行き前半終了直前にはセンターライン付近から大きく蹴り出されたボールの処理にもたついたB G FC 21番ジェサダコーンからレアンドロがボールを奪いペナルティエリアでフリーのレナンにパスを出し決定的な場面を作るが、茂庭選手が身体を張ってシュートを打たせずピンチを凌ぐ、さらにチェンライはその後同じような展開で2本のシュートを放ちますが、ゴールの枠は捉えられずそのまま前半は終了。

B G FCが反転攻勢に

後半に入ると今度は B G FCの動きが良くなりボールの支配率を上げて相手陣内でのプレーが増え50分には11番ラザラスがゴール前の混戦でうまく相手 D Fの間隙を縫ってボールを運びシュートしたがゴール左に外れ、55分には自陣最終ラインからフィードされたボールにキャプテンの29番チャトリーが相手D F2人を背負いながらも、うまくかわして後方から走りこんで来たラザラスにパスすると完全にフリーになるがシュート直前にカバーリングに入ったキアットプラウットが乱暴なレイトタックルで止めるがこれはノーホィッスル、P Kを取られても仕方ないプレーだった。

この頃からチェンライは前線と守備が間延びしてしまい中盤をB G FC抑えられてしまったためチャンスを潰すために無駄なファールを犯し、また前線で張っているバージェに簡単にパスを出す機会を与えてしまう。そして63分、B G FCは自陣中央辺りからぽっかり空いたチェンライの中盤で待っていたダルコにボールを出しそのままドリブルで上がって行くとやや高めのチェンライ守備陣の裏にスルーパスを出すとスピードを上げて来たラザラスが受け、D F2人のマークを受けるが豪快なシュートでゴールネットを揺らした。その後もB G FCはラザラスや途中から入った2番ワサーンが次々とシュートを放ち追加点を狙うものの村上選手のカバーリングとチェンライG Kのインタラットの攻守に阻まれる。

大久保選手がピッチに入り追加点を狙うB G FC

80分ついにB G FCはバージェに替えて大久保選手を投入、自らのスピードを生かすべく右サイドを中心にスペースに入りチェンライの守備陣を撹乱する。中盤の攻防で劣勢に立たされたチェンライは単発の攻撃を何度が仕掛けるが前半のような攻撃が出来ずそのまま時間が経過していく中、81分にチェンライD Fがセンターライン右サイドからB G FCの中盤 4人の頭上を越える大きなボールを出すと相手ゴール前で3対3の状況から13番ナンタワットがトラップし後ろのレアンドロにボールがフリーで渡る。B G FCの選手が慌てて戻る前に反転したレアンドロが右足を振りぬくとG Kナリット懸命に手を伸ばすが届かず同点のゴール!




その後どちらも決定機を作ることが出来ず延長に突入、日本人 3人は 90分を過ぎても守備に攻撃に献身的に動くのだが、29°C近い気温の中、両チームとも徐々に動きが鈍くなり思い切った攻撃よりも負けないため得点させないことに注力したことによって決め手を欠き120分戦い同点のままP K戦に突入する。


最後はP K戦で決着!

P K戦は 4人目までどちらも外すことなく先攻のチェンライ5番目のキッカー、29番のキアットプラウットの番です。彼は蹴る直前まで迷ったのか中途半端なキックは G Kナリンのほぼ真正面に行ってしまい止められてしまう。B G FC最後のキッカー16番ボーディンは落ち着いてゴール左に蹴りこみ5-4でB G FCが決勝進出を決めた。

10月5日、同スタジアムでスパンブリFCとチョンブリFCの試合が行われ、0-1でチョンブリが勝利、決勝はバンコクグラスFCとチョンブリFCの対戦となった。

尚、試合後ツィッターやFacebookでは試合結果がP K6-5と発表されたが、実際には両チームとも5人ずつしか蹴っていない、したがって1-1(P K5-4)が正しいスコアである。(P K戦のフル動画があるのでそれを観て頂きたい)

P K戦ノーカット動画 タイFAカップ準決勝 バンコクグラスFC×チェンライ・ユナイテッド




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タイプレミアリーグ 茂庭照幸 大久保剛志 チェンライ・ユナイテッド 杉本恵太 村上一樹 小川圭祐

2014年10月7日火曜日

観戦レポート オーソットスパー サラブリ×チェンライ・ユナイテッド

バンコク在住の会社員によるタイ・サッカープレミアリーグの観戦レポート


今回はTPL(タイ・プレミアリーグ)12位オーソットスパー・サラブリと7位チェンライ・ユナイテッドの試合(2014年8月27日、第31節)です。






今回オーソットスパーのホームゲームですが、スタジアムはラチャマンガラ国立競技場を使用しての対戦となったわけですが、本来オーソットスパーのホームスタジアムはバンコクからさらに北にあるサラブリスタジアムで、メインスポンサーはタイでは栄養ドリンクとしよく知られているM-150と言うブランド、このチームには過去多くの日本人がプレーしており、タイ・プレミアリーグ初の日本人プレーヤーもこのチームと契約しています。


現在は2011年からギラヴァンツ北九州で活躍した片野寛理選手(背番号21番)が2011年からプレーしており、今年で4期目と守備の要でチームの中心選手でもあります。もちろんこの日も先発出場、チェンライ・ユナイテッドは杉本恵太選手がベンチ入りしておらず怪我から復帰した村上一樹選手が先発、小川圭祐選手はベンチスタートです。






ブラジル人が鍵を握った試合展開

オーソットスパーはブラジル人の26番FWのアロン(今期9得点)コートジボワール人で11番MFのアントニー(8得点)、タイ人のエース20番FWのチャヤナン(7得点)の3人が、チェンライ・ユナイテッドドはブラジル人の14番FWのレナン(10得点)と7番FWのレアンドロ(9得点)が攻撃の核となっており、総得点は両チームとも47点、総失点はチェンライ39点、オーソットスパーが40点とほぼ同じでリーグ内で平均的な数字ですが、勝負どころの得点と失点が7位と12位という結果に影響しているようです。

先手を取ったのはチェンライ、14分中盤でボールを奪い9番チョークラップがドリ
ブルで上がって行き、左サイドの20番ウィリアンがゴール前にクロスを出すとレナンが倒れこみながら頭で合わせてゴール、出したウィリアンも飛び込んだレナンもドンピシャの得点でした。さらにチェンライは攻め続けコーナーキックからゴール前の29番キアットプラウットのヘッドは右に外れます。しかし、25分に村上選手のファールでフリーキックのチャンスすを得たオーソットスパーは14番アディサックが蹴ったボールはゴール右で待っていた10番ジェッサダーのヘッドで同点にしました。それでもチェンライはサイドから攻撃でチャンスを作りますが、GKの好守によって無得点で前半は終了。



後半は立ち上がり51分にオーソットスパーのアロンがチェンライDFの隙をついて左サイドからノーマークシュートを放ちゴール左隅に決め2-1、その1分後にはセンターサークルから一気に攻め上がって20番FWのチャヤナンが右足で豪快に蹴り込んで3-1と一気に引き離します。


2点差から猛攻で追い上げるチェンライ・ユナイテッド

対するチャンライはこれで目が覚めたのか58分にはミドルレンジからのシュートや63分DFのクリサディーのクロスに途中交代で入った13番FWのナンタワットが相手DFともつれ合いながら身体を投げ出してゴールを狙うがDFにクリアされてノーゴールとチャンスを逃します。69分左サイドからのパスにレアンドロがペナルティエリア内で右足を上手く使い2タッチでDFをいなしながらGKの頭をフワリと越えるループで技ありのゴール、これで3-2と1点差に詰め寄ります。


終了間際まで諦めなかった結果ついに・・・

オーソットスパーも77分にフリーキックのチャンスから直接ゴールを狙いますが、これはGKがパンチングでセーブ、80分にチェンライは3番クリサディーに変えて16番FWのチャトチャイを投入、なんとしても追加点を狙いに行く、ここからチェンライは波状攻撃で攻め始め、83分には20番ウィリアンが左サイドからのパスに反応するがタイミングが合わなかったため打ったシュートは弱くGKがセーブ、85分にはレアンドロのクロスがゴール前に上がりGKの届かない位置に飛ぶがこれは片野選手が頭でクリアするなどほとんど休む暇を与えず攻め続けるチェンライ、そして諦めなかったチェンライはついにロスタイムに入った92分右サイドからのコーナーキックに29番DFのキアットプラウットがファーサイド高い位置からのヘッドはついにゴールを割って3-3の同点として試合終了





両チームとも力を出し尽くしたゲームで大変見ごたえのある試合でした。不用意なファールにより相手にチャンスを与える場面も見られたが片野選手、村上選手ともによく動き存在感を示しており、リーグ終盤に向けてさらに活躍してくれるものと思います。
    
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